Images of 代理人交渉制度
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ルンピニーのそばからバスに乗った我々は、目印にすれば良いと云われた橋を越えた最初のバス停で降りた。そこで耳を澄ましていれば射撃音が聞こえるからという、とても大雑把な道案内をTAKUさんから聞いていたが、聞いた通りにパンッパンッ〜という乾いた射撃音らしいものがが聞こえてきた。通りかかった学生風の若者にに射撃場は何処か?と英語で尋ねたが通じない。指先でピストルを撃つ真似をして、バッキューンと口真似で擬音させながら、付近一帯を腕で円を描きながら、頬に手を当て考えるポーズをしてみたら、即、理解してくれた上に、わざわざ射撃場まで我々を案内してくれた。
「流石やねえ 東京もんのジェスチャーは(笑)」と杉さんが妙なところで感心してみせた。
射撃場に向かう市内バスの中で我々は国籍を問われた時の中国名をお互いに披瀝しあっていた。杉さんは<リー・ドラゴン>という名前にすると言い出して私は可笑しくてバスの中で笑い転げていたら、他の乗客に睨まれた。ブルース・りーの中国名がリー・ドラゴン<李 小龍>らしい。 それではと私はマオ・トンナン<毛・東南>という中国名を考え、そこから派生させてマオ・トンマという名前に到った。 しかし、せっかく考えた中国名も使う事もなく国籍を問われる事もなく入場する事が出来た。 射撃場には制服警官が何人もたむろしていた。一人がこちらに近づいて来て、何事かを云う。ライフル銃と、リボルバー式<回転式>のどちらかを選べるぞ?と銃を我々の前に差し出しながら云ってると察した。杉さんは嬉しそうに云う。「ワッシは22口径の方のチャカを撃つわ。ここで練習しておけば下手を打つ事もなかったのにな、、」 と、過去に武勲を打ち立てる事が出来なかった?事をぼやいてみせた。私は別の制服警官からやはり、リボルバー拳銃を借りる事にした。彼等は勤務中に射撃練習場に来ては自分の銃を貸し出し更に銃の取り扱い方、弾の詰め方などを教えながら、アルバイトをしているのだ。受付で警官を伴い実弾を購入した。50発で100バーツ<約1000円>だった。杉さんの目はもう輝きッ放しだった。
「ワッシにこの銃を譲ってくれんかの〜?交渉してくれない?」
「イヤだよ。杉さん この国は密告制度で、銃や、麻薬はマジにやばいらしいよ?」代理人交渉なぞとんでもない話だった。
実弾は思った程には重みは無かったが、銃の方は小型拳銃と云えども22口径の拳銃はズシリと目方を感じる本物の迫力が有った。私にコーチしてくれる警官はとても懇切丁寧に教えてくれた。しかし、タイ語なので仕草で理解するしかなかった。彼が何事かタイ語で云うと、判った、判ったよ?と私は日本語で返事をするような珍妙な会話だったが、主旨は充分に仕草で判るものだ。
的の距離は手元のスライダーで遠くにも近くにも動かせる。最大で25M前後の距離だった。弾を6発詰めた。ストッパーを外し、トリガーを引けば、充分過ぎるほどの殺傷能力の有るガンだった。警官が最初に見本を見せるように、撃つ。ダートゲームの的のような丸い的のほぼ中央を貫いたのが判った。さすがに射撃場に詰めているだけの警察官だけの事はあった。 巧いな、流石だと思った。いよいよ私の番だ。 ダーティハリーの映画は随分と観てきた私はハリー・キャラハン役のクリント・イーストウッドのマグナム45ばりに22口径の拳銃を両手で持ち、足をやや開いて、銃を上から下に振りかぶるように、的に銃口を向けると、コーチ役の警官が何やら叱責めいた口調で叫んだ。 ん? なして? ダーティハリーごっこは不味いんかな?訝しげに私は後ろを振り向いた。警官はジェスチャーで銃を上から下に振り下ろすのはいけない。上を見ろと云いながら指差す。2M位の高さに有るひさしに無数の弾痕がひさしに穴を空けていた。振りかぶった時、トリガーを引いてしまい暴発させてしまうのだろう。 OK 〜 今度は銃を下から上に持って両手で構えた。すると、指導警官氏は、マグナム45じゃないんだから、反動など無い。片手で撃って充分だよ と言った意味の事をおそらくタイ語で云ったんだと思う。 一発目は自分のスタイルで撃ってみるよ?と日本語で云うと、指導警官氏はOKと云った。ストッパーを外し、トリガーに人差し指を置き、的に照準を合わせ息を詰めた。人差し指に力を込めた。軽い衝撃とパンッ!!という乾いた音と共に文字通り、弾は何処かへ飛んでいった。勿論、25M先の直径30センチくらいの丸い的に当たるわけもない。ふと隣りのレーンの杉さんを見ると、慣れた手つきで連射撃ちをしている。距離は10M位だが、ほとんどが的に当たってる。
「さすがですなあ 杉さんっ」感に堪えぬように私は思わず吐いた。
「うんっ ワシっ 19の時からだからなあ。しっかしここは安いわ、グアム島で射撃したときは、2.3万取られたで?」とご機嫌だった。 指導警官氏から、お前は筋が悪いけど、お前の友達は巧いなと言った意味のことをおそらく云ったような気がする。 しかし弾をうち続けているうちに慣れもあったのだろう。最後の数発は立て続けに的に当たるようになった。 右手の人差し指には火薬のような匂いが残った。 これが硝煙反応だろうか?杉さんもすっかりご機嫌で50発の弾を撃ち終えた。 我々はそれぞれの銃を貸与してくれた警察官にTAKUさんから聞いていた御礼としての相場、50バーツ(500円)を渡した。
ご機嫌モードで射撃場を後にした我々はやがて市街地に向かい、そこで訪れた日系のコーヒーショップで非常に不快な気分になるような事と遭遇し、あわや一発触発、怒りの唐獅子、杉さん大爆発?になるとは知る由もなかった。