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平成19年5月22日(火)
今日は今回の旅行の目玉である青蔵鉄道でゴルムドからラサまで1142kmを駆け抜ける列車の旅である。
まだ暗い中をゴルムドの駅に到着すると駅舎の中では撮影禁止だと言う。添乗員の説明では写真撮影可能と聞いていたのでがっかりする。見渡しても撮影禁止の標識はどこにも見当たらない。
制服制帽に身を包んだ駅舎係員の気分で今日は撮影禁止にしたのではないかとの疑念が湧いてくる。公務員の権威主義を見る思いであった。 7時13分に到着した電車は7時33分には発車した。ポーターの若い男性3人が汗を流しながらスーツケースを運び込み昇降口のあいた空間に24個の荷物を積み重ねてくれたので助かった。
硬座の指定席なのに我々の座席の上の網棚は大きな荷物で占領されており手荷物を置く隙間もない。
それでも現地ガイドのペルマさんが喧嘩腰で目にあまる大きな荷物を三個程移動してくれたので手荷物をやっと網棚に乗せることができた。
列車が発車すると給湯室へ水筒やカップラーメンを手にした現地人乗客たちの往来がひっきりなしに始まる。
窓側の席には小さなテーブルが設置されているがここもカップラーメンの容器や水筒で占領され尽くしていて、外国人は使用できない。
更に手洗いに行くために隣の車両を通り抜けようとすると勇気がいる。座席に寝転んで足を投げ出しているものや通路に足を投げ出して平然としている。しかも向日葵の種やその他の種類の皮を所構わず吹き捨てるのである。
公共施設を利用するマナーが全然できていない。中国人民の公徳心の欠如にはほとほと驚かされてしまった。こんな状態で北京オリンピックが開催できるのであろうか。 出発して暫くは窓の外の景色はかすんでおり、残念ながら玉珠峰(6178m)や崑崙山脈や崑崙峠(4767m)はかすんでいてはっきり目撃できなかった。 それでも午後からは雲一つない紺碧の空が現れ名も判らぬ山々を隋所に見ることができた。 まだ雪の残っている荒野や砂漠を駆けぬけながら、夕闇迫る頃電車はラサ駅に滑り込んで15時間に及ぶ青蔵鉄道の旅は終わった。 この間食堂車で昼と夕と二回の食事を摂ったが、時間帯を予め決められた予約制になっており、追い立てられるようにして食べる食事は美味しいものではなかった。
この列車の印象はもう二度と乗りたくはないとの一言に尽きる。
座席の奥行きが短く腰が痛くなること。
座席に肘掛けがついていないこと。
手洗いのエアーフラッシュが不全で便器に垂れ流された大便が常に除去されないこと。
そして何よりもマナーの悪さには辟易することである。