Images of 明石砂浜陥没事故
2021年4月3日(土)2時半前、中崎遊園から国道28号線を渡って大蔵海岸公園へ。ちなみに国道28号線は神戸と徳島を結ぶ国道。1952年に新道路法に基づき定められたが、一部国道フェリーだったので、明石海峡大橋と大鳴門橋開通でその部分は欠落している。
で、大蔵海岸は古来から白砂青松の海岸として有名で、海水浴などの観光客で賑わっていたが、海岸線に国道28号が建設された際に、護岸が堤防と消波ブロックで固められ、海に近づくのは釣り客程度という状態になった。しかし、明石海峡大橋を眺望する絶好の場所であることから海浜公園として再生させることとなり、1993年から埋立が始まり、1998年に供用が開始された(下の写真1)。
明石海峡大橋と淡路島を間近に望む、面積約32ha(埋立地約19ha、海浜約13ha)の緑豊かな海浜レクリエーションゾーン。明石海峡大橋は1998年に供用開始された世界最長の吊橋で、何度か渡ったことあるし、主塔に登ったこともある(下の写真2)。
この橋が架かる明石海峡は最狭部幅が3.6kmで深さは最深部で約110mある。瀬戸内海東部、大阪湾と播磨灘の間に位置。船で西から大和(古代の中心地)を目指してくると入り口に当たることから、古くは明石大門と呼ばれていた。大阪湾と播磨灘・淡路島と本州が交わるこの海峡は、古くからそして現在も陸海空すべての交通の要衝となっている。
激しい潮流があり、それは豊かな海の幸をもたらしており、播磨灘の1km四方の年間漁獲量は37.8tととてつもなく高い(日本海は1t未満)。古来から風光明媚な地としても知られ、藤原定家の百人一首の歌「来ぬ人を松帆の浦の夕凪に焼くや藻塩の身もこがれつつ」など多くの歌や、句が詠まれている。
見通しがよい事ということから1999年12月31日の「明石千年の夢まつり」の花火大会や2000年12月31日のインパク(インターネット博覧会)の明石海峡世紀越え行事「ジャパンカウントダウン2001」の会場となった。
この「ジャパンカウントダウン2001」の際、JR朝霧駅と大蔵海岸を結ぶ歩道橋で滞留が発生し、軽傷者が出たのだが、この教訓は生かされず、翌年夏の明石市民夏まつりでそれを上回る滞留が発生し、11名が亡くなり、183名が軽傷を負う悲惨な事故が発生したことは忘れられない。以後、ここでの花火大会は行われてない。
また、その年末にはその会場となっていた大蔵海岸海水浴場の人工砂浜を散歩中の4歳の女の子が陥没した穴に嵌まり、翌年亡くなると云う、これまた悲惨な事故もあった。この後、砂浜部分は閉鎖されていたが、現在は復活している。
この日行ったのはこの海浜公園の西の端の方だけだったが、その人工砂浜がある大蔵海岸海水浴場は約1.5㎞東の、歩道橋事故の起きたJR朝霧駅の南に広がる。幅約60m、長さ約600mで約3万6千平方mある広々とした砂浜で、海水浴、水遊びなどが楽しめる。バーベキュー施設やスーパー銭湯、スポーツクラブなどもあり、東端近くには1999年に堀江謙一さんが太平洋横断をした「モルツマーメイドII号」が恒久展示されている。
海水浴場から西、朝霧川を渡った先には24時間スーパーや大型スポーツ用品店、それに多目的広場がある。多目的広場は約5千百平方mあり、人工芝グラウンド、クラブハウス、夜間照明設備が設置され、フットサルやグラウンド・ゴルフなどが楽しめる。
その西は海岸線は磯浜と云う大小の自然石や玉砂利を敷並べた約3万5千平方mある人工の干潟、磯場で、水生生物の自然観察などが楽しめるようになっており、国道28号線との間が市民の森や健康広場などがある公園になっている。
公園は約3万7千平方mあり、約500本の松が植樹され、かつての白砂青松の海岸が復活している。また、磯浜の真ん中と西にある休憩所は、ヨットの帆をイメージした斬新なデザインとなっている。
また、海岸公園の西端には東経135度の日本標準時子午線が通っており、海岸公園から海岸沿いに西に続く大蔵海岸ランニングコースに路面シートがあった。このランニングコースは、東の砂浜前から海浜公園西の明石市役所裏ベランダを折り返す約5㎞のコース。
ちなみにこの日本標準時子午線が東経135度に決められ適用されたのは1888年(明治21年)。1884年(明治17年)に世界の時刻の基準となる子午線がイギリスのグリニッジ天文台を通る子午線(経度0度)に決定されたことを受けての決定だった。これ以前は地方時と呼ばれる地方ごとの時刻が使われていたが、これにより日本の時刻が統一された。
東経135度が選ばれたのは135が15で割り切れるため。これは地球の一周360度を24時間で割ると15度となり、経度15度ごとに1時間の時差があることになるため。東経135度では世界標準時(経度0度)からちょうど9時間(135÷15)の時差となる。
中崎小学校の南のランニングコースを西に進むと明石市役所裏ベランダと呼ばれるところに出る。別名明石海浜ベランダとか中崎展望広場とも呼ばれる釣り人に人気のスポット。落下防止の手すりがあり、綺麗に整備された幅広いベランダになっているので安全性が高くファミリーフィッシングに最適・・・、らしい。私は釣りは分からんので・・・
まあ、そんなことに関係なく明石海峡や大橋の眺めは最高。北側にある明石市役所は本庁舎及び西庁舎が1970 年に建設されて以来、増築を重ね、現在は複数の建物に各部署が配置されている(下の写真3)。一番新しく建てられたのは2007年の南会議室棟。
帰り道、中崎遊園の西端辺りから北に進み、旧西国街道(山陽道)に出て、西に進んでたら浜光明寺と朝顔光明寺の間に屋台が軒を連ねていた。4時前なので開いてる店は少ないようだったが、ハーモニカ横丁と呼ばれる一帯。機会あれば行ってみたい一角だった(下の写真4)。
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以上で明石探索終了