Images of 皮質脊髄路
動きを生み出す脳の仕組みと謎 (2020年3月17日公開)図1.運動回路の概要.外部環境からの五感情報や内発的動機に応じ,運動を発する.最上位の大脳皮質,筋収縮の最終出力を出す脊髄,それらを調節する小脳と大脳基底核.主要な領域とつながりのみ記載.皮質脊髄路は青,筋の位置情報の伝達はピンク線.1を改訂.図2.運動を制御する皮質脊髄路.大脳皮質の第V層ニューロンから伸びる軸索が,錐体で交叉し,反対側の脊髄へ伸びる.脊髄のニューロンを介して筋を運動させる.運動野に,各体部位を動かす領域がある(ホムンクルス).手指,足を動かす経路を緑,赤線で表示.図3.皮質脊髄路の発見の歴史.本コラムで紹介した発見のほか,多くの大事な研究があり,他の総説を参照されたい.右下:PubMedのキーワード検索による発表論文数の推移.PubMed上,錐体路(pyramidal tract)は1881年に現れ,皮質脊髄(corticospinal)の語は,Lassekの論文 (1946) からスタートしている.錐体路は延髄に終わる線維も含むので,皮質脊髄路と呼ばれることが近年増えている.図4.動物種による皮質脊髄路の多様性.3, 10, 13, 38を改訂しアップデート.一部動物種で走行を重複し記載.古典的な手法でなされた古い文献も多く,今後の検証も必要だろう.図5.マウスの多様な皮質脊髄路33.(A)大脳皮質と脊髄の機能的なつながりはよくわかっていない.(B)マウスでは運動野,感覚野などから脊髄へ異なる投射があり,筋へつながるもの,つながらないものがある(左).これらは脊髄で,運動,感覚に関わる多様なニューロンと接続する(中).各回路の遮断で,運動中に多様な障害が現れる(右).皮質脊髄路が,運動の指令,出力,感覚の制御など,多様な接続と機能を持つことを示唆する.
動きを生み出す脳の仕組みと謎 (2020年3月17日公開)図1.運動回路の概要.外部環境からの五感情報や内発的動機に応じ,運動を発する.最上位の大脳皮質,筋収縮の最終出力を出す脊髄,それらを調節する小脳と大脳基底核.主要な領域とつながりのみ記載.皮質脊髄路は青,筋の位置情報の伝達はピンク線.1を改訂.図2.運動を制御する皮質脊髄路.大脳皮質の第V層ニューロンから伸びる軸索が,錐体で交叉し,反対側の脊髄へ伸びる.脊髄のニューロンを介して筋を運動させる.運動野に,各体部位を動かす領域がある(ホムンクルス).手指,足を動かす経路を緑,赤線で表示.図3.皮質脊髄路の発見の歴史.本コラムで紹介した発見のほか,多くの大事な研究があり,他の総説を参照されたい.右下:PubMedのキーワード検索による発表論文数の推移.PubMed上,錐体路(pyramidal tract)は1881年に現れ,皮質脊髄(corticospinal)の語は,Lassekの論文 (1946) からスタートしている.錐体路は延髄に終わる線維も含むので,皮質脊髄路と呼ばれることが近年増えている.図4.動物種による皮質脊髄路の多様性.3, 10, 13, 38を改訂しアップデート.一部動物種で走行を重複し記載.古典的な手法でなされた古い文献も多く,今後の検証も必要だろう.図5.マウスの多様な皮質脊髄路33.(A)大脳皮質と脊髄の機能的なつながりはよくわかっていない.(B)マウスでは運動野,感覚野などから脊髄へ異なる投射があり,筋へつながるもの,つながらないものがある(左).これらは脊髄で,運動,感覚に関わる多様なニューロンと接続する(中).各回路の遮断で,運動中に多様な障害が現れる(右).皮質脊髄路が,運動の指令,出力,感覚の制御など,多様な接続と機能を持つことを示唆する.