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小豆島とその周辺巡り⑥ 香川県道27号土庄神懸線など (2016 .5)
「高松の展望台」たる屋島には麓からいくつかの遍路道や峠道が上がってきているが、「展望と史跡探訪」を主眼に考えた場合、往路は弘法大師の各遺跡が残り、県道14号(南方は車道)にも指定されている登り易いコンクリート歩道の遍路道を上り、復路は平成16年まで営業していた屋島登山鉄道(屋島ケーブル)廃線跡の保線路階段を下る回遊ルートが最適。
この保線路の階段は山上駅跡から登山口駅跡まで一直線に続く長大なもので、金毘羅に次ぐ規模の階段ではないかと思われる。それだけに下り時は終始高松市街地の展望が広がると共に、傾斜のあるトンネルを抜ける箇所もあり、楽しめる。
屋島登山鉄道は昭和4年、屋島山上の四国八十八ヶ所第84番札所・屋島寺の参拝のため敷設されたケーブルカーで、「屋島ケーブル」と呼称されていた。
昭和19年、戦時中の不要不急線として休業したが、5年後に再開された。が、客足は平成に入り年々減少し、平成16年、営業を終了、翌年、正式に廃線となった。
[アプローチ]
公共交通機関利用者が辿る通常の遍路道ルートは、高松琴平電鉄志度線潟元(かたもと)駅を出て、東の車道部分の県道14号に出て北上、そのまま車道から歩道に移行した道を上るもの。
しかし車利用時は駐車場所を考慮しなくてはならないため、琴電屋島駅西の屋島中学校前踏切から大宮八幡宮西の道路を北上、道路の向きが北から西向きに変わる地点の四差路の西方辺りに駐車したと思う。その四差路には登山口道標がある。
このルートは県道14号を北上するよりも歩道区間が長いため、電車利用者(琴電屋島駅下車)にとっても良い。
[コース]
東山地墓地を過ぎると進路が西に変わり、尾根に乗る。そこの分岐には尾根を直上して屋島南嶺に登るルートの道標があるが、そのルートは勾配がきついため無視し、山腹の道をそのまま行く。
そのうち県道14号に指定された前述の遍路道に合流する。
最初の左カーブにあるのが「加持水」。弘法大師が屋島寺参拝者の喉の渇きを潤すため、湧出させた霊泉で、路肩の「梵字石」は大師が「阿吽」を刻字したものとされる。
そこから300mほどで、「不喰梨(くわずのなし)」遺跡。大師がここにあった梨の木の実を栽培者に所望したところ、「固くて食べられない」と嘘をつかれた。それ以来、本当にここの梨は固くて味のしない食べられない梨になったという。
更に進むと、大師が「南無阿弥陀仏」と刻字した「名号石」が建っている。この前で転ぶと腹痛を起こすという。
日当たりのいい直線道になると赤黒い岩盤「墨岩」が現れる。
道はそのまま屋島寺の山門に入って行くが、その手前右からケーブル屋島山上駅への道が分かれる。
まずは山上で腹ごしらえ。私は屋島名物「イイダコのおでん」が好物なので、汗を流しながらおでん定食を食べた。
屋島寺から各展望所で風景を愛でながら北嶺を往復し、屋島最高所の南嶺(292.1m)の一等三角点を確認後、山上南端の廃墟と化した山上駅跡へと向かった。
駅にはまだ車輌が残っており、下方にはトンネルが見えている。そこからは終始、高松市街地の大パノラマを楽しみながら保線路階段を下る。
登山口駅跡にももう一つの車輌や変電室が残されていた。
そこからは大宮八幡宮境内を西に横断して往路の道路に出る。
この日の宿は高松市街地の中心部、高松琴平電鉄琴平線片原町駅東方の「ビジネスホテル丸登美」に取ったが、何とここは当時、一泊二食で4,500円、素泊まり2,500円という破格の料金。現在は300円ほど値上げしているようだが、それでも二食付きで4,000円台は魅力的。
更に詳しいコースガイドとコース図は
http://www.yamakei-online.com/cl_record/detail.php?id=41808
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