Images of アショーカの獅子柱頭
(前の旅行記とはちょっと見方を変えて)
こちらの旅行記では、
素敵な「文様」、
おもしろい「動物たち」、
なんだこりゃぁ??
・・という楽しいロマネスク彫刻をフューチャーして掲載します。
実は、(キリスト教的図像より)
こっちの方がロマネスクのおもしろさ、醍醐味でもあったりするのだ・・。
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ロマネスク彫刻家の想像力によって扱われたのテーマは、
じつに種々様々な起源を持っていたそうで、その範囲は、
古代美術、北方蛮族の美術、ペルシャやビザンスの織物、
写本挿絵やその文様、イスラム美術、さらに数千年前の美術まで及び、
また、あらゆる民族の伝説や民話からも着想を得ていたそうです。
ロマネスク彫刻は、
背後の建築空間が提供する「枠」に従って、
その「枠」をうめるように刻まれています。
背後の建築に拘束されているがゆえに、
逆にまったく「自由な形態の世界」が生み出されます。(Hフォション)
この 「自由な形態」、「変幻自在の造形」 こそ、
ロマネスク彫刻 のおもしろさ であります♪
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(以下、『 世界美術大全集・ロマネスク・小学館 』 から抜粋・・備忘用)
◆形の世界・柱頭 ---------- 聖堂の美化は貧しい時代にも求められた。 寒々とした石積みの壁や聖所に、東方から輸入された布などが掛けられる。 布の模様は唐草文、鳥獣文、「生命の木」などのモティーフである。 したがって石の彫刻が再出発する際に、こういうものがまず刻まれる。 人物の登場がやはり 「 獅子の谷のダニエル 」や 「 獅子と戦うサムソン 」 から始まるのも、東方の織物や工芸品に頻繁に現れる 「 獅子と戦うギルガメッシュ 」 や 「 ヘラクレスの獅子退治 」 のモティーフを借りたためである。 アーチ下の人物とかアーモンド型のマンドルラに包まれるキリストの場合は、金属工芸品、写本画、壁画の図像を手本とする。 vol.8-186
◆各地域の特性・南西フランス ---------- ロワール川中流域地方の様式を大々的に受け入れながらも、ポワトゥーやサントンジュ地方ははっきりとした装飾化方向を主張する。 左右対称の獅子柱頭が内陣周列柱に、入口両脇に配置される。 獅子、鳥、竜、グリフィン柱頭も内陣や玄関で互いに対をなす例が多い。 また、キリスト教を承認した皇帝「コンスタンティヌス」の名で呼ばれる騎馬像がファサードにしばしば置かれる。 これらはすべて教会の守護獣、番人と考えてよい。 ショーヴィニーを除くと物語柱頭は散発的であって、キリスト教図像よりも、多彩な動物文が目立っている。 イスラム圏との交流があった地方だけに、図像を意識的に避けたこともあり得る。 執拗に細かい彫りの蔓草、鳥獣文の煩雑な繰り返しには、コルドバの象牙彫りや漆喰彫刻の感覚に近いものがある。 vol.8-195
◆ロマネスク装飾における「生と死」 ・ 循環する「時」の表象 ---------- ロマネスク彫刻の異種混合のグロテスク・イメージは、この伝統的「時」の概念を担っていた古い源泉(オリエント、ステップ、ケルト、ゲルマン)に由来する既成のレパートリーを引き継いだのみならず、ロマネスク彫刻固有の「装飾のメカニスム(弁証法)」によっても体系的に新たに生み出され、自然の境界を自由に侵犯しあう異形の存在が増殖した。 こうしてロマネスクの聖堂には絶えず生成死滅を繰り返し、輪廻転生する世界の連続状況がいたるところに現れているのである。 vol.8-322
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