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法医学(シーウィー)博物館から出てチャオプラヤー川に向う。気味が悪かったので川風が気持ち良く感じられる。船で川向こうのタマサート大学前に渡ろうと思うのだがタイ語が解らないので切符売りのおばさんに伝わらず、どの船に乗ったら良いかも解らない。おばさんに川向こうを指差し身振り手振りで通じない会話をしていると、親切な女子大生がこの船に乗ったらいいと渡し船を英語で教えてくれ、ようやく川向こうに渡った。船着場からタマサート大学を通り抜け、道を尋ねながらカオサン通りにたどり着く頃には夕暮れになっていた。若者が溢れるカオサンで焼きとうもろこし(15B)を食べて見ると、これがうまい。ムエタイを見ながら食べようと思って2本買い足し、水も買って、バイクタクシーでルンビニ・ボクシングスタジアムに向う。本場のムエタイ見学もバンコクでの観光目的の一つだった。バイタクのあんちゃんは夕刻、勤め帰りで大渋滞のバンコクの街を車と車の間をすり抜けてすいすいと進む。さすがにうまいもので20分ほどの道のりで6時にスタジアム到着。250Bは少し高いと思ったがあんちゃんの運転技術料だ。
ルンビニ・ボクシングスタジアムは外国人料金でリングサイド2000B(6000円)、2階席1500B、3階席1000Bと高価。3階席からも良く見えると民宿日出で情報をもらっていたので3階席のチケットを買い会場に入ろうとすると、飲食物の持ち込みは禁止、と呼びとめられ、外で食べるように言われ入口前の椅子に腰かけてとうもろこしをたいらげてから入館した。ムエタイは3分間5ラウンド制で1,2ラウンドはお互いに相手の様子を伺うような戦いぶりで3ラウンド目くらいから真剣に打ち合う試合が多い。3ラウンドくらいから賭博の胴元と客の間で指のサインが飛び交う。選手のパンチやキックがヒットするたびに客は指で大きくサインを送り、大声を出す。胴元は客の注文をテキパキとメモしている。試合の決着が着くと負けた客は金を胴元に払いに来て、勝った客には胴元が金を払いに行く。指の合図だけで良く間違わないものだと感心しながら見ていた。この日のメインイベントはSITHICHAIというチャンピオンとHAANSUGという挑戦者の1戦でテレビ中継もしていたが1ラウンドから挑戦者が積極的に強烈なパンチをヒットし3ラウンドでチャンピオンがノックアウト負けし、場内が騒然となった。テレビ中継もこの1戦が終わると解説者らしい男性がマイクを持ってカメラの前で何かコメントをしていた。恐らく番狂わせを解説したのだろうと想像したが、解説が終わるとあと3試合を残してカメラチームも引き上げて行った。ノックアウト試合は8試合中2試合と判定の多いムエタイだったが、本場、バンコクで生の格闘技を見ることができたのは嬉しい体験だった。
(写真はムエタイ)