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【金型の底力】ペッカー精工 新素材、自社製品の開発に力デザインから量産まで新素材、自社製品の開発に力 小泉 秀樹社長 デザインから試作、金型、量産まで、ものづくりの一連工程を一貫して請け負うことができるペッカー精工。金型にこだわらず事業領域を広げてきたことによって、他社にはない“総合力”を身に付けた。この強みを活かして現在取り組むのが、新素材の用途開発と異業種との協業を通じた自社製品の開発だ。 「プラスチックごみ」が世界的な問題となる中、注目を集めるのが「生分解性樹脂」。微生物によって水と二酸化炭素に分解されるため、自然環境に悪影響を与えにくい素材で、近年様々な企業が研究を進めている。ペッカー精工は、この素材の用途開発に10年ほど前から携わってきた。 当初は年間1~2型ほどの受注だったが、現在では年間数十型まで増加。2018年に福島県いわき市で開かれた「世界水族館会議」でデザインから携わり素材メーカーと共同で開発したグラスが使われるなど、実績を重ねている。 成形機8台で試作から量産まで対応 「扱いが非常に難しい素材」(小泉秀樹社長)。「生分解性樹脂」は原料にトウモロコシやサトウキビが使用されるため、糖分が多く、非常に粘っこい性質で成形不良が起きやすい。さらに含有される樹脂の種類や配合によって微妙に性質が変化し、「20秒で結晶化するものもあれば、1分以上かかるものもある」(小泉社長)。そのため、それぞれの性質に合わせた金型の厚みやゲートの位置・径、成形条件を設定しなければならず、製品によってはデザインから見直す必要もある。 ペッカー精工が「生分解性樹脂」の成形を可能にしているのは、こうしたデザインから量産までを一貫して請け負うことができるから。素材メーカーと協業し膨大な素材データを収集。材質や形状など顧客の様々な要求に対応している。 生分解性樹脂で作ったグラス 1968年に創業し、自動車部品や携帯電話などのプラスチック金型で多くの実績を重ねる一方、3Dモデリング・試作の「KATANA」、デザインの「FINEEDGE」、商社の「マザーツール」といった関連会社を設立。金型にこだわらず事業領域を拡大し、ゼロからものづくりを提案できる力を身に付けた。「一つひとつの技術では当社より優れた会社は多い。しかし、トータルバランスでみれば、相当な競争力があると思う」(小泉社長)。 今後は自社製品の開発にも力を入れる。特に異業種と連携し、「安全」と「環境」の2つのテーマに合わせた商品開発に取り組む。すでにこれまでにも子供向け製品の安全性を検証するエアー人形や樹木の治療を行う樹木医と協業して「ブレスパイプ」と呼ばれる土壌改良資材などを開発した。 「異業種との連携は今後さらに強める。何か作りたいものがある人の考えを具現化し、手助けしていきたい」(小泉社長)。車や携帯電話などの金型で多くの実績住所 : 埼玉県東松山市大字新郷88‐34電話 : 0493-24-2261代表者 : 小泉秀樹社長創業 : 1968年従業員数: 46人事業内容: 射出成形金型の設計・製作、デザイン、試作、量産など Q.人材育成で何に取り組んでいますか自ら考えられる体制に 一人ひとりが自ら考えられるような体制にしています。営業は新規開拓から見積り、受注金額の確定まで全て一人に任せていますし、導入設備の選定は現場の人間に任せています。やっぱり誰かにやらされるよりも自分で考えて動く方が楽しいし、勉強もする。面白がって仕事に取り組んでもらうことが成長の一番の近道になると考えています(小泉秀樹社長)。金型新聞 2020年8月10日