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岡崎市に鎮座する六所神社は松平氏（徳川氏）発祥の地である松平郷（現 豊田市松平町）にある六所神社より祭神の勧請を受けて創建したものである。徳川家康の産土神として江戸幕府の厚い保護を受けた。松平郷の六所神社は、鹽竈六所明神より勧請を受けたもので、猿田彦神と事勝国勝長狭神（ことかつくにかつながさのかみ）の2柱を祀っていた。事勝国勝長狭神は塩土老翁神の別名という。岡崎の六所神社の祭神は猿田彦命、塩土老翁命、事勝国勝長狭命である。猿田彦神と事勝国勝長狭神が2柱に分かれている。鹽竈神社の祭神は塩土老翁神（しおつちおじのかみ）、武甕槌神（鹿島神）、経津主神（香取神）の3柱である。鹽竈六所明神は鹽竈神社の古名とされ、製塩の神を祀るお釜神社が太古からの神であろう。大和朝廷により武甕槌神と経津主神が加えられて鹽竈神社が創建されるときに塩土老翁神とされたのであろう。
徳川家康公の産土神として代々崇敬が厚く、慶長7年（1602年）に家康公が社殿の造営を行い、その後も寛永11年（1634年）から寛永13年（1636年）にかけて、三代将軍・家光、四代将軍・家綱により、社殿の改築や修復が行われ本殿・幣殿、拝殿、楼門、神供所が重要文化財になっている。
神社には母と息子さんがおり、塩竃の神様を祀る六所神社が海から遠い岡崎の地にあることを質問してみた。また、日光東照宮の宮司が塩竃神社の宮司に栄転していることを話題にすると、神社庁の人事で栄転したのだそうだが、体調を崩して最近辞められたばかりだと言っていた。てっきり、塩竃神社−六所神社−日光東照宮は一連の結び付きがある神社で異動があるのだと思い込んでいたが、単なる誤解であった。
（表紙写真は岡崎六所神社楼門）
