Images of 林勇二郎
兵庫県芦屋市出身。父・小池勇二郎は戦時中、仲小路彰、小島威彦らが創設した思想団体「スメラ学塾」のメンバーとして活動し、石油関連の貿易商として戦後に財を成した また、政治家への転身を考えていた父親は末次一郎に心酔していた 1959年、末次の主催する日本健青会がエジプトとの交流事業を行い、その一環としてアラブ、アフリカ諸国に視察団を送る 視察団に参加した勇二郎はエジプトのカイロで感激し「自分はここに残って商売がしたい」と言い出した。結局、周囲に説得させられて帰国するが、小池百合子とエジプトの縁はここに端を発した。カイロ市のカイロ・アメリカン大学(英語版)でアラビア語を修めたという。エジプト滞在中にカイロ近郊にあるギザの大ピラミッドを登り、その天辺で茶道の形式に則りお茶を点てたことがある。両親は朝堂院(松浦良右)の資金援助でカイロ市で日本食レストランを経営するが、その会社は小池の留学中に倒産した。1972年6月、カイロ大学に入学。1976年10月、同大学文学部社会学科を卒業。小池の著書によれば「カイロ大学を首席で卒業」と記されている。来日するエジプトのサダト大統領夫人のジハン・サダトをエスコートするために、同年10月11日、一時帰国。11月にまたエジプトに戻り、12月に正式に帰国した。カイロ大学卒業については経歴詐称の疑惑がしばしば報道されており、2020年にカイロ大学が「卒業証書はカイロ大の正式な手続きにより発行された」と声明を発表している。1992年の参院選の頃から、カイロ大学の卒業に関して詐称疑惑が指摘されていた。当時小池は『週刊ポスト』にコラム「ミニスカートの国会報告」を連載中だったが、疑惑に対抗すべく、1993年4月9日号で「残念ながら私のカイロ大学卒業証書はホンモノ このページで証明します」と書き記し、「これが証拠の卒業証書」とキャプションを付け紹介した。2016年の東京都知事選挙の際にはこの経歴詐称疑惑が広く報道された。同年6月30日放映のテレビ番組『情報プレゼンター とくダネ!』が学歴詐称疑惑を扱った際、資料として卒業証書と卒業証明書を担当者に送り、都知事選の選挙公報に「カイロ大学卒業」と記載した、当選後も東京都庁のウェブサイトの自身のプロフィール欄に「1976年10月 カイロ大学文学部社会学科卒業」と明記した。2020年東京都知事選挙に立候補を表明後、週刊文春2020年6月4日号に「カイロ大学卒業は嘘」小池百合子東京都知事の学歴詐称疑惑 元同居人が詳細証言」と記事が掲載 卒業証書についても卒業関係書類のロゴやスタンプが異なる点などが指摘されている また朝日新聞デジタルは2020年6月9日付で「小池都知事は『カイロ大学を卒業』 大使館が声明文公開」との記事を示した。都知事選を控えた2020年6月3日、都議会で上田令子議員に卒業証書を見せるよう求められ、更に入学から卒業までの経緯をフスハー(カイロ大では必修科目。単位を落とすと卒業出来ない)で答えるよう求められた際、「これまでも何度も公開をしてきたつもりである」「喋っても理解出来る人はいないだろう」として拒否する態度を取ったことから、「学歴詐称ではないか」との声が上がった。2020年6月9日、駐日エジプト大使館は、カイロ大学が発表した小池が1976年10月に卒業したことを証明する旨の声明文を、フェイスブックで公開した。ジャーナリストの山田敏弘がカイロ大学教授のアーデル・アミン・サーレに取材して在籍記録を調べたところ小池が1976年にカイロ大学文学部社会学科をグッドの成績で卒業した記録が残っており、サーレは「カイロ大学は今でも4人に1人は留年するが、彼女は4年間で卒業している これはすごいこと 10月に卒業したことになっているが、普通は7月卒業なので、2か月遅れたのは卒業前にも補習を受ける必要があったからだろう 相当に大変だったのではないか」と話していたという。一方、小説家でカイロ・アメリカン大(英語版)(カイロ大とは別の米系の大学)大学院修士の黒木亮は小池のアラビア語は、「とてもよい面会」を「美味しい面会」と言い間違えたり、クウェートの女性大臣とフスハーで話そうとしてしどろもどろになったり、カダフィ大佐訪問時はほとんど会話にならないといった、「お使い」レベルのアラビア語で、到底大学教育に耐えられるものではないとし、また小池は『振り袖、ピラミッドを登る』(1982年)の58ページに、1年目に落第し、次の学年に進級できなかったと記述していることから、卒業には最低で5年かかり、早くても1977年となるため1976年10月卒業と記載されている「小池の卒業証書は信用出来ない」と述べている。また黒木はエジプトはカイロ大学を含むエジプトの国立大学では小池が卒業したと称しているサダト政権時代(1970~81年)から不正な卒業証書の発行が行われており、小池の卒業証書はムハンマド・アブドゥル・カーデル・ハーテムのコネを利用したものだと主張している。一方、週刊文春2020年6月4日号の記事に対してPRESIDENT Onlineでは「カイロ大学卒業は本当」小池百合子東京都知事の学歴詐称疑惑 カイロ大学が詳細証言」と反論記事を掲載。記事では大学に照会し、カイロ大文学部日本語学科の教授から「確かに小池氏は1976年に卒業している 72年、1年生の時にアラビア語を落としているが、4年生の時に同科目をパスしている これは大学に残されている記録であり、私たちは何度も日本のメディアに、同じ回答をしている」との証言があるとしている。また卒業関係書類のスタンプやロゴの疑惑についてもカイロ大学の幹部を務めた経験のある男性の話によると「昔、小池氏が国会議員になる時や閣僚になった時など日本のメディアから問い合わせがあった 念のため大学の記録を調べたが、間違いなく小池氏は76年10月に卒業していた 」と証言した上で「学部や時代によってスタンプやスタイル、サインが違うということだ 盗難対策などで数年ごとにそれらを変えていることを知らない人間が勝手に間違えていることを言っているのだろう」と指摘している 他のカイロ大学関係者も「卒業関係書類は昔は男性形の1つのフォーマットを使い、手書きやタイプライター ピンで留め、大学職員が何人かで手作業でスタンプを押していた 今はさすがに男女の違いはあるが、多くの学生に書類を作成するのは大変な作業で、多少異なる点があるのも当たり前」と解説。自民党衆院議員時代の小池はカイロ大学学長の招きで学生らを前にスピーチし、学長が「卒業生」として紹介していたこともある。2020年6月8日、週刊文春2020年6月4日号の記事に対してカイロ大学のモハンマド・エルホシュト学長名は小池都知事は「1976年にカイロ大文学部社会学科を卒業したことを証明する」「卒業証書はカイロ大の正式な手続きにより発行された」「日本のジャーナリストが証書の信ぴょう性に疑義を示したことは、大学と卒業生への名誉毀損(きそん)で看過できない」と声明を出した そのうえで「エジプトの法令にのっとり、適切な対応策を講じることを検討している」と警告している。