Images of 皮の皮
フェズと言えば世界一大きな旧市街。車も通れない細い道が毛細血管みたいに張り巡らされている迷宮都市で、9世紀頃の古い旧市街(フェズ・エル・バリ)と14世紀頃の新しい旧市街(フェズ・エル・ジェディド)の二重構成。
ちょうど「794うぐいす平安京」の時代の頃の街がそのまんま残ってるのはすごいことだと思う。
ロバが行き交い、かまどでパンを焼く熱でハンマーム(蒸し風呂)のお湯を沸かす。
鶴の恩返しみたいな機織機で布を織り、異様な匂いの皮なめし工場で染料まみれになって皮をなめす。
フェズでの2泊目は“英語堪能なオーナーのいるユース”に泊まる。(激寒)
茶色いネズミ男のおじちゃんは、確かに英語がお上手。
彼の手引きで英語のガイドを雇い、チリ人の女の子2人組と一緒にフェズ旧市街を散策。
これがまた、とんだショッピングツアーで、行きたいところに連れて行ってもらえず、いろんな店で買い物させられる。
タンネリ(皮なめし工場)、ベルベル人の薬局、絨毯屋、鍛冶屋・・・と連れまわされ、そこで放置。店主がセールストークを始める。
ガイド代の上、買い物した分の何割かマージン貰っているんだろうな。
ベルベル人の薬局では、食用のアルガンオイルを、顔につける用として高く売られていたり、赤いグリセリンのリップクリームがサフランのリップクリームとして売られていたり、後から聞いた話によると、その店はインチキ新開店の観光客用の店とのこと。。。
でも、インチキ薬局はさておき、ガイドがいなければ、あれだけの工芸品を見たり、作業場を効率良くまわったりすることは出来なかったと思う。
フェズの旧市街は職人の町だという事が良くわかった。
そして皆作った物をいかに条件良く高く売るか、真剣勝負。
そもそも定価は無いわけだし、ボラれるとか考え過ぎるのも被害妄想なのかもなぁと思う。
物の値段って、売る人と買う人の満足度バランスの微妙なラインだし、地元の人が買ってる値段が定価ってわけでもないんだよね。。。
そんなこと言ったらナイロンに三角のパッチ付けただけで何万円もする某ブランド品の方がよっぽどボッタクリのような気もしてくるかも。
アルガンオイルにしても、フランスでキレイなボトルに入れてラベル貼れば、値段は何倍にも跳ね上がるわけだし。中身は同じなのに。
デザインやブランドネームで付加価値付ける変わりに、フェズの商人達は一生懸命交渉して良い物だから価値があるってアピールしてるのよね。
でもやっぱり相場ってものがあるから、そこを抑えとかなきゃ、価値の分かんない成金日本人だと侮られるしなぁ。せっかくモロッコまで行って日本で買うのと同じになっちゃったら悔しいし。
教訓としては、スークに行く前にスーパーで相場調査すべし。
インチキ薬局で騙されたのは、ボラれたってことだよなぁ。
フェズ。。。肝心のイスラム建築をガイドの説明付で聞けなかったのがとても心残りでした。