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私は音痴である。小学校の合唱会で「口パク」を強制され、自覚して以来だ。だからスナックなどでカラオケの順番が回ってきてもパスする。歌は苦手である。そんな私でも、歌詞カードを見なくても歌える(口ずさめる)歌がある。「琵琶湖周航の歌」「神田川」そして「アルト・ハイデルベルク」だ。数十年も前の、私の青春時代の歌ばかりだ。「琵琶湖周航の歌」は、高校時代ボート部に所属し、何度も琵琶湖遠征(なつかしい言葉)をしたため、自分のテーマソングと位置づけている。私の葬式のとき、BGMで流してもらおうと思っている。「神田川」は、下宿していた学生時代をロマンチックに振り返る青春のご詠歌である。そしてこの「アルト・ハイデルベルク」。若きカルスブルグの王子、カル・ハインリッヒが、その青春のひと時を過ごした、ネッカー河畔の古都ハイデルベルク。酒場の娘、ケーティーとの瞬間の恋。この甘いロマンチックなマイアー・フェルスターの小説は、ゲーテの「若きウェルテルの悩み」とともに、私の青春の聖書だった。今でも車の中や、散歩の途中で思いついて口ずさむと、目じりが濡れてくる。なに、年を取って涙腺のしまりがなくなったのだといえばそれまでだが。そのハイデルベルクに、いま居る。夢にまで見た、というより、夢にも思わなかったハイデルベルクである。ノイシュバンシュタイン城、ロマンチック街道、ローデンブルグと、定番のドイツ観光にパリが加わったツアーに、ハイデルベルグ一泊がスケジュールされていたのだ。

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