”SPQR”とは、ラテン語で「Senatus Populus que Romanus」(セナートゥス・ポプルス・クェ・ローマーヌス)の略語で、「元老院とローマの市民」を意味し、古代ローマの国家全体(共和政ローマ・ローマ帝国)の主権者を指している。また、この文字は、古代の国家ローマとその市民の栄光と誇りを現すものであり、当時ローマ帝国の領域であった現在のヨーロッパや北アフリカにいたるあらゆる地域で公共物にすべて刻まれ、ローマ軍団の軍旗などにも使われた。ローマ時代の遺跡やそれを基にした建造物にはもちろん、現代のローマ市の紋章や下水道の蓋にも見て取ることができる。写真の石碑はカンピドリオ広場にあった双子神の台座に書き込まれていたものだが、ローマ皇帝の像の台座はむろん、市内公共物のあらゆるものに書き込まれていた。古代ローマは現在も生きている。