Images of 高瀬伸利
君が代に謡われるさざれ石は有名な神社の他に、寺院にもあるので驚いた。どうやら業者が寄付・奉納して行くようだ。出雲の熊野大社、鎌倉鶴岡八幡宮、吉備津彦神社、諏訪大社(下社秋宮)、伊賀八幡宮、下賀茂神社、千葉県市川市の法華経寺、京都市山科区の勧修寺でさざれ石にお目にかかった。全て戦後のもので最近のもののようだ。
Webで調べるとさざれ石のあるところは90箇所を越えている。2つ以上あるところもあり、さざれ石の数はゆうに100個を越えているか。お寺では他に妙成寺(石川県羽咋市)、東慶寺(北鎌倉)、幸龍寺(世田谷)、平林寺(島根県)があった。神社では、札幌護国神社、北海道神宮、秋田県護国神社、高瀬神社(越中一宮)、安宅住吉神社(石川県小松市)、武水別神社(長野)、笠間稲荷神社、鹿島神宮、近戸三嶋神社(秩父市)、目黒八幡神社、日枝神社(東京赤坂)、天祖神社(文京区)、靖国神社、明治神宮、大國魂神社(府中市)、検見川神社(千葉市)、玉前神社(上総一宮)、阿夫利神社下社、浜名惣社神明宮、砥鹿神社(三河一宮)、真清神社(愛知県)、さざれ石公園(岐阜県揖斐郡)、治水神社(岐阜県海津市)、大矢田神社(美濃市)、二見が浦、伊勢神宮、多度大社、椿大社、水屋神社、猿田彦神社境内佐瑠女神社(三重県)、沙沙貴神社(安土町)、多賀大社、岡神社(米原市)、籠神社(丹後一宮)、向日神社、斎宮神社、北野天満宮、護王神社、福王子神社、吉田神社(京都)、高瀬神社天満宮、道明寺天満宮(大阪)、大神神社(大和一宮)、生田神社、八上 白兎神社、吉備津岡辛木神社、高乃宮神社、田中山神社(広島市)、出雲大社、乃木神社(京都市、長府、下関)、中津瀬神社(宇部市)、金毘羅宮(琴平)、筥崎宮、橘神社(雲仙市)、天岩戸神社、霧島神宮、大御神社(宮崎県)、鹿児島県護国神社、ペリリュー神社(南興神社)(パラオ)などだ。そのほかには、明治記念館、文部科学省、国技館、千鳥が淵戦没者霊園、十津川村村役場(奈良県)、トロッコ嵯峨駅前などである。天然記念物に指定されているものもあるようだ。
私が見たさざれ石の大きさは大型犬程度のものが多かったが、勧修寺のさざれ石は猫ぐらいの大きさで小さな印象を受けたし、法華経寺のさざれ石も一回り小さく、小型犬ぐらいの大きさであった。Webで見ると、仙台青葉城のものは標本のように小さい。大御神社では大岩が何個もあり、柱状節理の一部がさざれ石になっているところもある。また、産地のさざれ石公園では運搬する必要がないために巨石がごろごろある感じで3つの岩に2本の注連縄が結ばれている。
写真で見ると注連縄が結ばれているさざれ石も多い。神社などでは由緒のある石や岩に注連縄をしているから、さざれ石と勘違いしないように注意する必要があろう。戦前からあるさざれ石は少ないからだ。安宅の関跡にある安宅住吉神社(石川県小松市)には「神亀石」があり、さざれ石と見間違えていることも有り得る。実際に、吉備津神社の「矢置岩」をさざれ石と間違えている旅行記も見受けられた。吉備津神社にしてみれば、さざれ石なんぞより「矢置岩」の方がどれほど重要なものかは明々白々である。
坂本の日吉大社の境内には注連縄が張られた岩や賽銭箱が備えられた石があったが、さざれ石は見つからなかった。これほどの大社であればさざれ石の寄付・奉納を受けていてもよさそうなのだが、境内に鎮座している猿の霊石や夢妙幢岩、祇園石(山王霊石)などの霊石の方がよほど由緒があるのであろう。私の場合、出雲熊野大社で初めてさざれ石を見て以来、さざれ石がないか注意深く見てきたつもりでいたが、靖国神社、明治神宮、大國魂神社、千鳥が淵戦没者霊園、伊勢神宮、大神神社、籠神社、出雲大社、北野天満宮、トロッコ嵯峨駅前、東慶寺、阿夫利神社下社、妙成寺では見落としてしまったようだ。これらに本当にさざれ石があるようだから、私がさざれ石を見つける確立は38.1%となっている。これほど注意していてである。さざれ石のあるところを知っていて探しに行くのでもなければ見落とす場合が多いということだろう。
石のお地蔵さまや由緒ある石や岩には小銭をお供えして拝む風習がある。そのために賽銭箱が据えられた石や岩もある。しかし、さざれ石には小銭がお供えしてあったのは出雲大社のものぐらいで、賽銭箱が据えられていたものはなかった。まだ、さざれ石が人目に付くようになって日が浅く、馴染みが薄いということか。
ちなみに、さざれ石を販売している業者のホームページもありました。簡単に買うことができます。