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「ミャンマー（ビルマ）は 1886 年に全土がイギリスの植民地となった。イギリスの植民地政策は Divide and Rule（分割統治政策）で、トップは英国人、行政はインド人、カレン族を警察及び軍人として徴用し、ミャンマー（ビルマ）を統治した。この分割統治政策は今日のビルマ族とカレン族の対立の要因となっている。 1947 年２月にピンロン（シャン州の東部）においてイギリスからの独立を指導していたアウンサン将軍は少数民族と会談（ピンロン会合）し、10 年後に自治権を与えることを約束した（ピンロン条約）。しかし、同将軍は同年７月に暗殺された。」
「1948年、ミャンマー（ビルマ）はイギリスから独立したが、ミャンマー（ビルマ）政権は国内の少数民族に対してビルマ族と同等の権利を認めなかった。そのため、カレン族はカレン民族同盟（Karen National Union（ＫＮＵ））を中心に民族の分離独立を要求したが、受け入れられず、1949年に武装蜂起をした。ミャンマー（ビルマ）政府は国境地域の民族の一部を直接統治していたが、そのほとんどはそれぞれの民族（シャン族、カレニー族、カレン族、モン族）の自治政府による統治下に置かれていた。1970年の中頃より、ミャンマー（ビルマ）政府はそれら自治を認めないという立場から、独立自治を求める各民族への攻勢を強めた。」
「1995年、ミャンマー（ビルマ）政府はカレニー族自治政府との停戦協定を破棄し、この結果、多くのカレニー族の難民が発生した。同年、ミャンマー軍は、シャン州と接するタイのチェンマイ州、チェンライ州国境まで攻勢をかけ、その結果、多くの難民及び国内避難民が発生した。翌1997 年、ミャンマー（ビルマ）政府軍の攻勢は、ミャンマー（ビルマ）・タイ国境最南端部まで及び、モン州に住むモン族、ミャンマー（ビルマ）最南端部にすむカレン族が難民及び国内避難民となった。1995年～1997年の３年間にすべての民族の自治政府は勢力範囲を失い、住民は難民及び国内避難民となった。」
「タイ国内におけるミャンマー（ビルマ）難民の流入が確認されたのが、1984 年の 9,500人であり、10年後の1994年には約８倍の77,100人に増大した。1995年にはＫＮＵの支配地域のカレン州の首都であるマナプローが陥落したため、多くのＫＮＵ関係者がタイ国内へ避難した。ミャンマー軍による攻撃、人権侵害（村の焼き討ち、略奪、強制労働、強制ポーター、強制移住、女性へのレイプ等）の影響により、難民の人口は増加し続けている。また、新たな難民の流入とは別に、難民キャンプ内の高い出生率が難民増加の原因の一つになっている。なお、ミャンマー（ビルマ）における国内避難民の数は500,000 人、ミャンマー（ビルマ）国境沿いの新たな国内避難民キャンプには 200,000 人が収容されていると予測されており、その他の 300,000人は現在も国内に留まっているとみられている。」

(財)アジア福祉教育財団難民事業本部，2007年5月,「タイにおけるミャンマー（ビルマ）難民の状況及び支援活動の状況調査報告」より

パーイ逍遥（2018年6月）～その１
https://4travel.jp/travelogue/11409856